トップページに戻る

デジスコ奮闘記

フィールドスコープの接眼部にデジタルカメラを押し付けて超長焦点カメラに変身!
デジスコとはフィールドスコープデジカメを付け加えたもの)

33回にわたってブログ上に連載したデジスコシステム改良への取り組みを1本にまとめました.。
2007年3月末、ニコンP5000に変更したのに伴いシステムを大幅に変更しました。
新システムに関して追加記事を9本加えました。
その後も記事を追加し、現在49本です。
デジスコに悪戦苦闘:2005年05月13日
 野鳥の写真は、一眼レフカメラと超望遠レンズで撮るものと思いこんでいた。昨年(2004年)11月に、フィールドスコープとコンパクトデジカメを組み合わせて野鳥の写真を撮る方法を解説した本を偶然手にした。
 本を見ると野鳥をアップで撮った鮮明な写真が掲載されていて、しかも簡単にできそうに書いてある。
 趣味でネイチャーフォトをやっていた昔の魂がよみがえり未知の分野に突入してしまった。
 やってみると、そう簡単ではなかった。その悪戦苦闘ぶりの記録です。

 ちょっと脇道にそれますが、天体写真の入門書(田中千秋著:図説天体写真入門1985年)によると、天体写真の拡大撮影法には3通りある。1が直接撮影法で望遠鏡の対物レンズの像を直接カメラの焦点面に当てる。2がリレーレンズ法でリレーレンズ(接眼レンズなど)で拡大した象をカメラの焦点面に当てる。3がコリメート法で接眼レンズの拡大像を更にカメラのレンズを通して撮影する。と解説している。
 もっとも拡大率が高いコリメート法をフィールドスコープに応用したのが、通称、"デジスコ"ということになるようだ。
最初の買い物:2005年05月14日
 できるだけ安く一式揃える、将来性も考えて機種を選ぶ、との方針で買い物をする。2004年11月のことだ。
最初の買い物
最低限の買い物だったが合計¥120,942使った。

各商品の選択理由
 フィールドスコープは小型軽量安価でそこそこの性能(のはずだった)。高級機を手に入れた後は旅行用のサブ機になるだろうと考えた。

 カメラは広角27mm相当、2分間の長時間露光、秒3駒連射などのカタログ性能からデジスコ以外にも利用できるだろうと考えた。大型店の店頭値段が9万円以上と高いので通販業者から代引きで買った。

 接続パーツが以外と高かった。17,850円もした。

 雲台は本で推奨していた中で一番小型安価で軽いものにした。三脚は手持ちのものを利用する。
結果はがっかり:2005年05月17日
 ビクセンED52−Sとオリンパス5060WZの組み合わせで色々撮ってはみたが画質が良くない。どう良くないかというと、画像がにじんでいる。像が流れている。フレアーがかった画像になる。中心部もあまり良くないが周辺部は更に更に良くない。

 1ヶ月ほど、鳥を求めて近くの水場などに繰り返し出かけたが画質が満足できないし使い勝手も良くない。ブレやボケを防ぐことに注意をしても画質が悪いのはフィールドスコープの限界と考えざるを得ない。(使い勝手はフィールドスコープの責任ではない)

 平面チャートのテスト撮影で感じたのはフィールドスコープの作る像が平坦でないので、ピント面が中心部で近く周辺が遠い。デジカメの絞りを絞るとピントの合う範囲が広がり画質も改善されるが5060WZの最小絞りはF8である。

 ED52−Sは、写真撮影用としてはつらいが、本来の目的である目視では十分実用になる(念のため)

 使い勝手の悪さは
  1. 素早く鳥をスコープに導入できないため、動きの速い小鳥に追いつけない。スポットファインダーが必要か
  2. 水鳥は一般的に被写体距離が遠く14倍接眼レンズではデジカメをテレ側にしても1500mm相当(110mm×14)のため大きく写せない(合成開放F値は6.2)
  3. ビクセンの接眼レンズの中でデジスコに使えるのはGLH20しかないので倍率を上げられない
  4. 5060WZとの組み合わせでは広角側でケラレが発生する。使えるのは35mmカメラ換算の70mmから110mm(980mm相当〜1500mm相当)の間だけ。
トップページに戻る
一眼レフとフィールドスコープ:2005年05月18日
今度は、使い慣れている一眼レフでやってみようと考えた。一眼レフと超望遠レンズで被写体をとらえるのはなれている。きっとうまくいくだろう・・・。

購入したのは、 合計¥11,340 一眼レフ用アダプター
 デジタル一眼レフのフジS1Proでやってみた。予想以上にカメラのファインダーは暗く、ピントを合わせるのが困難だ。2004年11月28日、この組み合わせで庭にやってきた小鳥を写した。数十駒撮った。ジョウビタキだった。鳥の全身が写らないほどのアップだが、デジスコ同様にひどい画質だ。オートが使えないので、手動ピント合わせとマニュアル露光になる。ISO400でシャッター100分の1秒を切ったが、かなり露出不足。

 フィールドスコープの接眼レンズの後部にレンズを外した一眼レフボディをくっつけた形。カメラアダプターGはカメラボディとフィールドスコープをつなぐ単なる筒。デジスコと異なり、カメラレンズを使わない。天体写真で言うところの「レリーズレンズ法」ということになる。合成F値は16ほど。AFが使えずフィールドスコープのピントリングによる手動ピント合わせだが、一眼レフのファインダーはすごく暗くピント合わせは至難だ。

 口径52mmのフィールドスコープは一眼レフ用望遠レンズとしては暗すぎて実用にならない。また失敗だ。フィールドスコープED52が写真撮影用としては性能が低すぎると再び実感する。
カメラをとっかえひっかえ:2005年05月22日
にじんだようなぼやけたような画質を嘆き、四苦八苦は続く。
 様々なカメラやレンズを試してみるために12月14日、次の商品を購入。
ユニバーサルマウントシステム  長いプレートの一方にフィールドスコープの三脚座をねじ止めし、反対側にカメラを取り付ける。ユニバーサルマウントシステムの特徴は、カメラ位置を上下左右に自由に調整でき、フィールドスコープも前後に動かせる。そのため一眼レフでも、フィルターネジが付いていないコンパクトカメラでも、ビデオカメラでも何でもフィールドスコープの接眼レンズと光軸をびったり合わせられる。

 これを使って、手持ちのコンパクトデジカメ富士フィルムのF700で試してみた。フィールドスコープとの接続部品が無いのでデジスコ本で推薦品になっていないが、問題なく使えた。フィールドスコープの接眼レンズ前にぴったりデジカメのレンズを持ってくればどれでも使えそうだ。

 デジスコ風に一眼レフでも出来ないかと、ボディに接写レンズや引き伸ばしレンズなどを付けて試したがシャープな像は結ばなかった。オリンパスの一眼レフE−300はCCDが17.3mm×13.0mmと小さく、コンパクトデジカメに近いのでデジスコとして使えないか?一眼レフはファインダーで被写体が追えるので、液晶画面で被写体を追うコンパクトカメラとは異なり、使い勝手が格段と向上する。コンパクトデジカメでは連写といってもその間、像が消失し、ピントも最初の駒で一度合わせたきり。被写体が動く野鳥撮影では使い勝手が悪すぎる。
 一眼レフを使ったデジスコは将来の研究課題にしておこう。

 ユニバーサルマウントシステムは中々便利な道具だが水平長が約48センチもあり、これを持ってフィールドへ行く気にはなれない商品だった。

 余談だが、FIELDSCOPEが英語の各種辞書に出て来ない。TELESCOPE(望遠鏡)から類推した和製英語のようだ。ニコンビジョン社の英文HPでは、Fieldscopeを使っているが、英語圏で通用する言葉なんだろうか。Yahoo UK(英国)内でWeb検索するとNikonとの関連以外では出てこない。ましてデジスコは完全な和製英語なので日本以外では通用しない。ニコンビジョン社が欧州でdigiscopingという名称で紹介しているので極少数の人が知っているようだ。
被写体を素早く導入するファインダー:2005年05月25日
 2月に入って望遠鏡専門店(フィールドスコープも扱っている)でビクセンのスポットファインダーを購入した。

スポットファインダー  これをオリンパス5060WZのアクセサリーシューに取り付けた。
目標物導入は格段に楽になった。

 弱点は、天体望遠鏡のアクセサリーだから、明るい場所では、目標に合わせる赤いスポットの明るさ不足を感じる。電源がボタン電池のCR2032だから消耗も早い。ON、OFFがやりにくいので消し忘れをしやすい。
 外部から電源を供給し、外部スイッチでON,OFFできるように改造するのは難しくなさそうだが、今は時間がないので将来の課題。

利点は安価なことだ。2,520円
トップページに戻る
コンパクトカメラ用シャッターボタンを購入:2005年05月25日
 オリンパス5060WZは、シャッターボタンにレリーズ穴が無いし、専用の補助具も用意されていないので、手でシャッターを押していた。これではスピーディーに押せるが、ブレやすい。

 デジスコ本に紹介されていた、コンパクトカメラ用のシャッターレリーズ取り付け補助具、エツミの「コンパクト用シャッターボタンE−398」を購入してみた。5060WZには向かないような気がしたが、1,290円と安価なので買ってみた。

エツミのシャッターボタン  何とか取り付けだけは出来たが、オリンパス側のシャッターボタン付近が水平でなく傾いているので、縦方向にベルトで巻きつけても滑って固定がうまくいかない。レリーズを押してもシャッターがなかなか切れない。ベルトでオリンパスの各種操作ボタンも覆ってしまうので様々な操作が出来なくなる。

 取り付け可能なカメラは、丸くなく四角なボディーでシャッターから垂直方向のカメラ背面と前面に操作ボタンが無いことが条件になる。

 オリンパス5060WZをデジスコで使うにはシャッターレリーズ問題の解決が必要だ。一つの解決策は、パワーバッテリーB−HLD20を下部に取り付け、B−HLD20につないだリモートケーブルRM−CB1で電気的にシャッターを切る方法だ。価格が高いのと、カメラ重量が更に重たくなりフィールドスコープに負荷がかかる点が心配だ。
COOLPIX5900を購入:2005年05月26日
 ビクセンのフィールドスコープ「ジオマED52ーS」とオリンパスの5060WZでデジスコに挑戦してきたが、とても不満足な状態が続いている。

 口径52mmの安いフィールドスコープとコンパクトデジカメとしては高価な部類の5060WZの組み合わせは、デジスコ以外での使用に重点を置いたため結果的にバランスを欠いた組み合わせになった。

 デジスコとして安心できる組み合わせはどれだろうか?
単一メーカーがすべてを用意しているニコンが安心安全ではないか?
ニコンですべてをそろえればもう悩むことも無くなるのでは?

 3月に入って、ニコンのフィールドスコープを買う前提で、まずニコンのコンパクトデジカメとニコンの接続アダプターを揃えることにした。

ニコンのE5900とFSB−1  COOLPIX5900が¥31,290。モデルチェンジでCOOLPIX5200が5900になっていた。接続アダプターFSB-1は¥8,250。512MBのSDメモリーカードHPC-SD512M2も¥8,050で購入。合計¥47,590

 ジオマED52−SとCOOLPIX5900(E5900)の組み合わせは、オリンパスの5060WZに比べ広角側でもケラレが少ない。デジスコとしての画質も少し改善されたように思える。シャッターがケーブルレリーズで切れるのでブレの心配が減少した。
 (ビクセンの接眼レンズGLH20WIDEにはすでにターボアダプターG1を取り付けているのでFSB−1がそのまま取り付けられる。TA3+TACがFSB−1に置き換わった。FSB−1には30センチのレリーズが付属)

 ニコンのフィールドスコープ導入が前提なので、画質の根本的な改善はできていないが使い勝手が良くなりうれしくなってきた。
DOS−FSB1という商品:2005年05月26日
 ニコンFSB−1にビクセンスポットファインダーを取り付けるアダプターがターボアダプターから発売せれているのをネットで知る。これを使うと左目でスポットファインダーを見て目標物に照準を合わせ、同時に右目でCOOLPIXの液晶ビューワを見てフレーミングとピント合わせがすばやく行える。

DOS−FSB1  DOS-FSB1ベースといる名称の商品で簡単な構造の割には8,000円と高価な印象だったが、効果は絶大だった。高価は効果だ!!。瞬時もじっとしていないスズメも簡単に写せるようになった。

 三脚にデジスコ一式を組み立てて肩に担いで歩き、鳥を見つけるとぱっと脚を広げて鳥を写そうとするのだが、担いで歩いているうちに、DOS−FSB1に体のどこかが触れてスポットファインダーの方向がずれてしまうのが欠点だ。デジスコは多くのパーツを組み合わせているのでどうしても全体のまとまりが欠ける。単独の商品の責任とは言えない。

 やっとデジスコが楽しくなってきた。
トップページに戻る
液晶フードも必需品:2005年05月27日
 ニコンの「COOLPIX5900」と「FSB1」とビクセンの「スポットファインダー」に潟fジスコドットコムの「DOS-FSB1 BASE」も買った。スポットファインダーに左眼を近づけると、右目が液晶モニターに近すぎて眼のピントが合わない。そこで必要になるのが、液晶モニターに取り付けるルーペ付き液晶モニター用フードだ。

ルーペ付き液晶フード  COOLPIXが5200から5900にモデルチェンジして、液晶のサイズが1.5インチから2インチに大きくなった。2インチをカバーするルーペ付きフードをカメラ持参で巨大カメラ店で探したところ、ケンコーの液晶フードDW−46が取り付け可能だった。シリコンゴム輪をカメラに巻いて固定する一見頼りなさそうな仕組みだが、今のところ壊れないで使っている。2,058円だった。

 ルーペ付きの欠点は拡大しすぎて画像イメージより液晶のドットばかりが目立つ点だ。逆にルーペが無いとカメラから顔を遠ざけないと液晶モニターに目のピントが合わない。左目でファインダーを見て右目で同時に液晶モニターを観察するためにはルーペ付き液晶フードが必需品だと確認できた。
バリ島で野鳥撮影:2005年05月27日
 南の楽園バリ島野鳥撮影も目的の一つで出かけた。雨季から乾季に変わる境い目だったが、ほとんど雨にも会わず人々の暮らしを垣間見て自然にも触れることができた。

 野鳥撮影用機材だが、まだ頼りなく不安定なデジスコより、一眼レフ用超望遠レンズを用意したほうが確かなように思えたが、休暇旅行だから身軽に行きたい気持ちもあり、小さくて軽いデジスコシステムを試してみることにした。

 この時点で用意できたデジスコシステムは、
  1. フィールドスコープが超小型のED52-S
  2. 接眼レンズGLH20WIDE(×14)
  3. ターボアダプターG1(GLH20WIDE用)
  4. ブラケットFSB−1
  5. デジカメCOOLPIX5900
  6. SDメモリーカード(512MB、20MB/Sの高速タイプ)
  7. デジカメ用電池EN-EL5の予備
  8. ビクセンスポットファインダー
  9. DOS−FSB1 BASE
  10. 液晶フードDW−46
  11. マンフロットミニビデオヘッド#700RC2
  12. ビクセンバランスプレート
  13. 西ドイツのCULLMANN2901という昔の小型軽量アルミ三脚
 この組み合わせでは、デジスコとしては合成焦点距離が短い。532mm〜1596mm(カメラレンズの焦点距離が35mmカメラ換算38mm〜114mm、それと14倍接眼レンズの組合せ)なので野鳥のアップを撮るのは難しい。しかも実際に使えるのはケラレが発生しない望遠側の70〜114mm相当のみだ。

ジャワショービン  予想通り、人にお見せできるレベルの写真は一枚も撮れなかった。
赤いくちばしに青い羽根が美しいJAVAN KINGFISHER(ジャワショービン)を2箇所で目撃して一応撮影はしたが確かに見ましたという証拠写真レベル。
 バリ島で野鳥撮影の参照ページ

 ご参考に掲載する写真のデータは、シャッター速度が1/195秒、カメラの絞りがF8.2、ISO感度が64、カメラレンズの焦点距離が23.4mm(35mmカメラ換算114mm、フィールドスコープとの合成焦点距離が1596mm)。少し周囲をトリミングしている。中心部は一応ピントが来ているが周囲は像が流れている。

 帰国後、再びデジスコシステム向上への努力が続く・・・
ニコンのフィールドスコープを購入:2005年05月31日
 帰国後、画質改善のための根本対策として、ニコンのフィールドスコープEDVを導入した。口径82mmのスコープは自重が1.5kgもあり、被写界深度も浅いとのことで、60mmクラスに決めた。参考書を見るとニコンとコーワが良さそうで迷ったが、写真撮影に使える接眼レンズの豊富なニコンを選んだ。(写真はEDV+24倍接眼+Coolpix5900による「雑草の穂を啄ばむスズメ」。横写真を大幅にトリミングして縦写真にしている)

スズメ  EDVと24XW/30XW DS接眼レンズのセットで77,200円だった。

 オリンパス5060WZを生かすには、32mmロングアイレリーフの接眼レンズTSE−17HDが用意されているコーワの利点も捨てがたく最後まで迷った。コーワTSN664PROMINARは口径66mmと少し大きめで自重は同じ1kgというのも魅力だった。

 EDVを使ってみて気に入ったのは、ピント合わせが鏡胴を回すカメラレンズと同じスタイルが私には使いやすかった。欠点は大きなピントリングを避けて三脚座が前方配置になり重量バランスが著しく悪い。この欠点はバランスプレートを使えば修正できる。

 ED52からEDVに換えた結果、大幅に画質が向上した。一目でわかるぐらい改善した。ずっと続いていた不快な感じがやっと解消した。これでやっと撮影が楽しめそうだ。

 デジスコに対する目的次第だが、鳥を見た証拠写真としての撮影でサービスサイズ以下のプリントしか作らないよというバードウォッチャーなら安価な品でも使えるが、羽根の一枚一枚が明瞭なA4クラスのプリントに耐えられる写真が撮りたいなら最初から撮影向きの高級フィールドスコープにしておいたほうが結局は安上がりだった。
トップページに戻る
カーボン三脚を購入:2005年08月08日
 脚周りは手持ちの機材で済ましていたが不満が募ってきた。西ドイツ製のアルミチャンネル材を使った三脚は軽くて持ち運びが楽で、脚の伸縮もレバー方式でスムーズだったのだが...軽さの訳は、伸長が短いことにあった。エレベータを全部伸ばしてやっと目の高さになった。フィールドスコープを下に向けることは無いが上に向けることはよくある。上に向けるとますます腰を屈めないとスコープを覗けなくなる。

 伸長の長い三脚は、必然的に重くなる。重い三脚を担いでフィールドを歩くのもつらい。カーボン三脚を買うしかないなと結論付けたが、まともに買うとカーボンは高い。ネットで色々物色していると、ベルボンのエルマーニュ630の輸出モデルでシェルパPro631ELが安く売っているとの情報を見つけた。すぐ買いに走って残りの1本をゲットした。28,000円だった。

ツグミ  この三脚は、雲台なしの商品だが、どうせビデオ用雲台を使うので好都合だった。この三脚、カーボンで軽いのはもちろん、伸縮もレバー1つで出来るので便利だ。脚の開脚や、脚の伸縮の具合が実にスムーズでしかもかっちり止まるのですごく気分が良い。幸せな気分になる三脚と言えば大げさか。

 適切な三脚の伸長時の高さは、自分の身長を元にした計算式があるので三脚メーカーのホームページを参考にするといいだろう。

 伸長サイズの短い三脚も座って使う前提なら何ら問題はない。イスを持って歩かなければならないが...

 参考写真は「庭にやってきたツグミ」。機材はEDV+24倍接眼+E5900+Pro631EL。撮影データは1/37sec、F4.9、ISO400、カメラのf=23.4mmで合成焦点距離は35mm換算2712mm。
40倍接眼レンズを購入:2005年08月08日
オオヨシキリ 24倍接眼レンズを使うとCoolpix5900の最望遠側で35mmカメラ換算焦点距離が24×113mm=2712mmとなるが、カモ類などは被写体までの距離が遠く、2700mmでもまだ焦点距離が短い場合も多々存在する。

 撮影用接眼レンズの選択肢が多い点が決め手になってニコンのフィールドスコープを選んでいたので、当然のように40倍の接眼レンズを追加購入。

 対物レンズ径60mmのスコープと組み合わせて40倍、82mmのスコープと組み合わせて50倍になる40XW/50XW DSで購入価格は20,160円

 Coolpix5900の最望遠側で35mmカメラ換算焦点が40×113mm=4520mmになる。

 参考写真は、「大きく口を開けてさえずるオオヨシキリ」でEDV+40XW/50XW DS+COOLPIX5900を使用。撮影データは1/320sec、F6.3、ISO200、f=14.9mm(35mmカメラ換算72mm)。40×72mm=2880mm相当。強風が吹いていて止まり木のヨシが大きく揺れているのでオオヨシキリも若干ブレ気味。横写真を縦にトリミングしている。
オリンパス用電気レリーズ:2005年08月29日
 電気的にシャッターを切ることができれば、カメラぶれを防げる。

 オリンパスのC-5060WideZoomには、リモコン(RM-2)が付属する。カメラの受信窓に赤外腺信号を送りシャッターを切る。このリモコンを使えばまったくブレないが、タイムラグが多すぎて動体撮影には向かない。

 シャッターボタンを押す場合と同じタイムラグでシャッターを切るリモートケーブルRM-CB1がC-5060WZ用に別売で用意されている。ところがリモートケーブルとカメラは直接つながらず、間にパワーバッテリーホルダーB-HLD20を入れる必要がある。
オリンパスの電気レリーズ
 パワーバッテリーホルダーをカメラの底面に取り付けると重たくなる。フィールドスコープに負荷がかかる。それを嫌って導入を躊躇していた。カメラを下から支える仕組みを作れば心配はないと考えなおし、オリンパスオンラインショップから一式購入した。
 RM-CB1  \6,142
 B-HDL20 \12,600
ついでに液晶モニターフードFDL-02 \1,260も同時注文した。
別途、ビクセンのスポットファインダー\2,520を追加購入した。
また、ケンコーの液晶フードDW-46\2,058も追加購入。
手元にあったアルミ板の廃材を使ってカメラ、スポットファインダーを一体化する仕組みを作った。
トップページに戻る
スリック製の雲台「フィールドバランス」購入:2005年09月16日
フィールドバランス
 マンフロット製の小型ビデオ雲台「700RC2」を使ってきたが、気に入らないのは目標をカメラに導入して最後に縦方向の動きを止めるノブを締めると大きく方向がずれる点だ。快適な操作性を目指して、フィールドスコープ用雲台と触れ込みのスリック製「フィールドバランス」を\37,800で購入した。

 700RC2に比べ3倍以上の価格と2倍以上の重量とマイナス要素も大きいがその性能はどうだったか。動きは700RC2に比べずいぶん滑らかになったが、最後にきっちりティルトノブを締めると700RC2ほどではないが少し動く。軽く締めた状態でシャッターを切らざるを得ない。

 完全に満足とはいかないが、700RC2よりは快適な動きを得られたので以後使いつづけている。雲台重量が520gから1.2Kgと増えたので、三脚+雲台+カメラを担いで歩きつづけると以前より負荷を感じる。
中秋の名月をデジスコ撮影:2005年09月19日
 今日は中秋の名月とニュースで聞いていた。午前0時前になって、そうだデジスコで月を撮影するかと思い立った。三脚にフィールドスコープやデジカメをセットして玄関先に出てみた。ほぼ南天の真上近くに満月があった。フィールドスコープを上に向けるので、三脚のエレベーターを一番上まで上げてやっと月をとらえられる。月の移動速度は早い。雲台のストッパーノブを締めても、すぐ視界から外れていく。
中秋の名月
 40Xのアイピースにオリンパス5060WZの組み合わせ。月の全体像を画面に入れようと、カメラの焦点距離を12.2mm(35mmカメラ換算焦点距離57mm)にすると、周辺が光量不足で月の一部が欠けてしまう。デジカメの焦点距離を最望遠側の22.9mm(110mm相当)にして撮影したので、35mmカメラ換算の合成焦点距離は4400mm、合成F値は15.3だ(合成F値は40×22.9÷60)。暗くて長〜い超超望遠レンズだ。

 サンプル写真は、カメラのISO感度を200、露光量補正−0.7、ホワイトバランスを晴天に設定して、F値が4.8、シャッター速度が1/100秒になった。トリミングはしていない。撮影時刻は23時46分4秒。

 その画質だが、そのままでは、非常に眠くて、フラットで、解像感も乏しい。原因は大都会の汚れた空気層が曇りガラスのように月を遮っているのと、その空気層に大都会の灯りが反射するためだ。画像処理ソフトでコントラストや解像度を上げる処理をしている。
ボルネオ島でデジスコ:2005年09月23日
 8ヶ月に渡ってフィールドスコープとコンパクトデジカメを組み合わせて超望遠撮影をする"デジスコ"に取り組んできた。システムも完成形に近づいてきたところで、ボルネオ島デジスコによる野鳥撮影に出かけた。

 ボルネオ島の中で一番行き易い、最近売り出し中のリゾート、マレーシア・サバ州の州都コタキナバル周辺での撮影である。安易にもほとんどホテルの敷地内、しかも建物の中から撮影した。

 安易すぎるように思われるが、ホテルの上層階からのデジスコ撮影は利点が多い。野鳥は木の上に止まっているが、下から見上げると、特徴の無い鳥のお腹を写すことになるし、背景が曇り空の場合、強い逆光になり、綺麗な写真は無理だ。上層階から撮ると、鳥を水平か見下ろす角度で撮影でき、特徴のある背中や真横の写真が、カラー発色も鮮やかに撮れる。

 ベランダで香取線香を焚いてお茶を飲みながらの撮影も優雅だし、6階の渡り廊下から三脚を構えての撮影もスコールに降られる心配もなく、蚊も寄ってこないし長時間粘っていても快適だった。このホテルは、裏山が自然保護区になっており、森の表層に現れた野鳥やサルやリスをデジスコで撮影するには、最上階の渡り廊下が好都合だった。

 炎天下、デジスコ装置を担いで、ホテル周辺のマングローブ林を汗をかきかき歩き回ったが、成果は無かった。電線に止まったツバメを撮ったが下から見上げると白いお腹しか写らず野鳥写真としては失敗作だった。高い位置から撮らないとだめだと再確認する結果になった。
ナンヨウショウビン
 使用したデジスコ装置は
  1. フィールドスコープがニコンのEDV
  2. 接眼レンズが24XW/30XW DS と40XW/50XW DSの2本
  3. ブラケットがニコンのFSB−1
  4. デジカメがニコンCOOLPIX5900
  5. SDメモリーカード(512MB、20MB/Sの高速タイプ)
  6. デジカメ用電池EN-EL5の予備
  7. ビクセンスポットファインダー
  8. DOS−FSB1 BASE
  9. 液晶フードDW−46
  10. スリック製雲台フィールドバランス
  11. ベルボン製カーボン三脚シェルパPro631EL
 今回は沢山の野鳥撮影に"成功"したが、その中の一枚を参考に添付します。英文の図鑑を調べるとCollared Kingfisher(和名ナンヨウショウビン)。撮影データはカメラのF値が4.9、シャッター速度が1/6秒、ISO400、焦点距離23.4mm(35mmカメラ換算113mm)。フィールドスコープとの合成焦点距離(35mmカメラ換算)が4520mmという超望遠で、しかも1/6秒にもかかわらずブレていないが、被写体距離が遠すぎ、大幅にトリミングしている。
トップページに戻る
フィールドスコープに一眼レフを接続:2005年10月04日
 5月22日のブログに「デジスコ風に一眼レフでも出来ないかと、ボディに接写レンズや引き伸ばしレンズなどを付けて試したがシャープな像は結ばなかった。オリンパスの一眼レフE−300はCCDが17.3mm×13.0mmと小さく、コンパクトデジカメに近いのでデジスコとして使えないか?一眼レフはファインダーで被写体が追えるので、液晶画面で被写体を追うコンパクトカメラとは異なり、使い勝手が格段と向上する。コンパクトデジカメでは連写といってもその間、像が消失し、ピントも最初の駒で一度合わせたきり。被写体が動く野鳥撮影では使い勝手が悪すぎる。 一眼レフを使ったデジスコは将来の研究課題にしておこう」と書いたが・・・長らくそのままだった。

 偶然、同じようなことを考えておられるデジスコマニアのページに、ステップアップリングで一眼レフのレンズとTA3(ターボアダプター社販売のカプラー)を接続して野鳥撮影を楽しんでいる話が出ていた。全部が手元にあるパーツなので組み立ててみると、なかなかシャープな像を結ぶことがわかった。手持ちのニッコールレンズ24mmF2.8、50mmF1.4、135mmF3.5の3本で確かめたが、どれもがそこそこの画質だった。24mmはAFだが、50mmと135mmは30年以上前に買った手動レンズだ。

 一眼レフがレンズ込みで1Kg以上なので、支えなしにフィールドスコープの接眼レンズに取り付けるのは無茶とは思ったが一度だけやってみた。D100のC-AFモードで24mmAFレンズを使うとピピッと反応して合焦した。便利だが、カメラの重みでしなっているのがわかる。継続使用は無理だ。

一眼レフでデジスコ  一眼レフカメラを支えるためにコーワのユニバーサルマウントシステムTSN-DA3を持ち出した。フィールドスコープとカメラをそれぞれ下から支えてくれるのでカメラレンズやフィールドスコープ接眼レンズが曲がる心配は無くなったが、カメラのAF機能は使えない。カメラはAF動作でレンズが伸縮するが、カメラとスコープが固定されているのでレンズを無理に伸縮させるAF操作をするとカメラやレンズが故障する。

 カメラのAF機能を使わず、フィールドスコープのピントリングを手で回して焦点を合わせることになる。一眼レフのファインダーを覗いての手動ピント合わせはそれほど難しいことではないがAFより不便なのは間違いない。

 24mmレンズ使用で合成焦点距離は36mm×40倍=1440mm相当。同様に50mmレンズは3000mm、135mmは8100mm。デジスコとしては50mmレンズあたりが使いやすそうだ。レンズの焦点距離が長くなると合成F値がどんどん暗くなりピントを合わせずらくなるのが難点。

 11月にオリンパスの一眼レフデジカメの新製品E−500が発売予定。世界最軽量で、ノイズ低減化が進んだようで、デジスコ一眼レフとして期待できそうだ。
今朝の鳥はヒヨドリ(AFエリア選択問題):2005年10月14日  朝、高く響く鳥の鳴き声で目が覚めた。この付近で一番高いアンテナの上で鳴いている。ヒヨドリのようだ。記憶にある鳴き声とは違っていた。縄張りを主張しているのか。季節の変わり目を感じる。

ヒヨドリ初鳴き  デジスコを持ち出して狙ってみた。カメラはCOOLPIX5900。AF専門のカメラだが過去の経験ではピンぼけのコマが多い。沢山写してピントの合ったコマを選ぶやり方を続けてきた。歩留まりが悪かった。

 最近、フィールドスコープを発売しているニコンビジョン社のHPを見ると、デジスコにCOOLPIX7900を使う場合は、AFエリア選択で「オート」または「中央」に設定するように、また広角側での使用を勧めている。7900と5900は画素数以外は同一のカメラなので、AFエリア選択での「マニュアル」使用を止めてオートを試してみた。

 「マニュアル」より「オート」の方がピントの大外れは少ないようだ。ただ、ぴったり鳥の眼にピントが合っているとは言えない。デジカメの広角側では合成F値が明るいが望遠側では合成F値が相当暗い。コンパクトデジカメにとってオートフォーカスを正確に動作させるのが難しいのは当然だろう。(今朝の撮影は40(接眼レンズ倍率)×7.8(カメラの焦点距離)÷60(フィールドスコープ対物レンズの直径)=5.2(合成F値)で条件が良かったが、望遠側で使うと合成F値が15.6にもなってしまいカメラには厳しいことになる。

 条件を揃えて、E5900のAFエリア選択で「マニュアル」「中央」「オート」での合焦確率を比べてみたい。
COOLPIX5900のAFエリア選択を比べる:2005年10月17日
 デジスコ向きとされるニコンのCOOLPIX5900だが、デジスコで使った場合、ずいぶんピンぼけ写真を作ってきた。被写体の野鳥は必ずしも写角の中央に配置しないので、もっぱらAFエリア選択で「マニュアル」を使ってきた。「マニュアル」を選んでおくと、画面内で自由にAFターゲットを移動できて都合よかった。E5900最大の利点とも思っていた。

 ニコンの子会社のニコンビジョン社のホームページに、最近、次のように書かれているのを見つけた。
 『クールピクス7900でデジスコーピングを行う場合は、AFエリア選択を「オート」または「中央」にし、ズームは広角側でのご使用をおすすめします。 なお、「オート」で希望するエリア以外にピントが合ってしまう場合や、高倍率接眼レンズなどで「オート」でも「中央」でもAFランプが点灯しない場合は、FSB-1Aのケーブルレリーズを半押しにし、AFが動かない状態で、クールピクスの液晶モニターを見ながら再度フィールドスコープのピントリングでピントを合わせる撮影方法をおすすめします。』

 真偽を確かめるため実験をした。庭の木の上にムクドリサイズの縫いぐるみ犬(ドイツ・シュタイフ社のHexie)を鳥の代わりに置いて、AFエリア選択を「オート」「中央」「マニュアル」各5回撮影した。1回毎にフィールドスコープはピントリンクを動かし合わせ直している。天候は曇り。さて、成績は・・・・・

 24XW接眼レンズの場合
望遠端(23.4mm)では
 「オート」5コマ中5コマ合焦した
 「中央」5コマ中5コマ合焦した
 「マニュアル」5コマ中1コマのみ合焦した
広角側(10.6mm=51mm相当)では
 「オート」5コマ中5コマ合焦した
 「中央」5コマ中5コマ合焦した
 「マニュアル」5コマ中5コマ合焦した

 24XW接眼レンズの場合、広角側の10.6mmまでは「マニュアル」でも合焦したが、それより望遠側では「マニュアル」使用は無理だ。因みに10.6mmのとき合成F値は4.24である。

 40XW接眼レンズの場合
望遠端(23.4mm)では
 「オート」5コマ中5コマ合焦した
 「中央」5コマ中4コマ合焦した
 「マニュアル」5コマ中5コマ合焦した
広角側(8.1mm=41mm相当)では
 「オート」5コマ中5コマ合焦した
 「中央」5コマ中3コマ合焦した
 「マニュアル」5コマ中3コマ合焦した

 40XW接眼レンズの場合、広角側の8.1mmまでは、緑色のAF合焦ランプが点灯するが、それ以上の望遠側では赤色ランプが消えない。赤色ランプのままシャッター半押し状態でフィールドスコープのピントリングを回して眼で液晶画面を見ながら合わせてもピントが合う場合もあるが信頼性は低い。
 「オート」と「中央」の比較では、「オート」の方が成績が良い。
 8.1mmのときの合成F値は5.4である。

 24XWと40XW接眼レンズでの実験から合成F値がF5辺りにAFエリア選択「マニュアル」の使用限界点があるようだ。
 今後は残念だがAFエリア選択メニューでは「マニュアル」を止めて「オート」を使うことにしよう。
 今回併せて測光方式についても実験した。AFエリア選択で「オート」を選んだ場合測光方式は「AFスポット」がベストだった。

ヒヨドリとアンテナ  この結果も踏まえて、私がデジスコで選んだ設定は
■画像モード
  画質 NORMAL
  画像サイズ 5M
■WBホワイトバランス A−WB、太陽光、曇天の中から選択
■測光方式 AFスポット
■連写 連写(各コマ毎にAFが働かないので連写設定でも単写的に使う)
■BSS OFF
■ピクチャーカラー 標準カラー
■階調補正 オート
■輪郭強調 オート(以前は画像加工を前提にOFFや弱にしていた)
■ISO感度設定 64、100、200、400の中から選択(オートに設定しても、屋外では64以外に動かないので手動で選びます。オートの場合、暗い屋内でやっと200に上がる)
■ブラケティング OFF(露光よりタイミングの方が大事だから使いません)
■彩度調整 標準
■AFエリア選択 オート(最も合焦しやすいが緑ランプが点いても望む場所にAFエリアマークが位置しているか注意して確認すること)
■AF−MODE S−AF(C−AFは撮影と関係なくレンズを常に動かし電池を消費し、シャッターボタンに触れると合焦動作を止めてしまう役立たずなので使いません)
■NRノイズ除去 自動ON(デジスコ環境下でNRが働くことは無さそうだが念のため自動ONに設定)

以上の設定で、雨の降りそうな曇天下、庭の周辺を忙しく飛び回るヒヨドリを狙った。40XW接眼レンズを使いE5900を最望遠側で使ったが、AFエリア選択「オート」が効を奏してピントはうまく合っていた!
トップページに戻る
デジスコはなぜ小さなレンズで遠くの物が大きく写せるの?:2005年11月06日
 フィールドスコープにコンパクトデジタルカメラを組み合わせて鳥などを超望遠撮影をする"デジスコ"を始めて1年が経過した。最初はひどい画質の写真しか撮れなかったが、最近は人に見せられる程度の写真にはなってきた。画質向上のポイントは、撮影技術が上がったのではなく、道具建てが整ってきたからだ。道具が悪ければ撮影のプロでもどうにもならない世界だ。

 なぜ、"デジスコ"は、口径の小さなフィールドスコープを使って100メートル先の小さな鳥を画面いっぱいに写すことができるのかをもう一度検証してみたい。

 20メートル先の20センチの鳥を画面の対角線いっぱいに写したいとする。

 35mmカメラでは画面(フィルム面)の対角線が43mmなのでレンズの焦点距離は4300mmが必要になる。計算は20m÷0.2m×43mm。
 コンパクトデジタルカメラ(E5900や5060WZのCCDサイズは1/1.8で、その対角線は9mm)では、レンズの焦点距離が900mmでよい。デジスコに当てはめると900mmは40倍接眼レンズ使用でデジカメの焦点距離が22.5mmになる。ちょうど3倍ズームのE5900や4倍ズームの5060WZを最望遠側にした状態だ。

 35mm一眼レフに4300mmの超望遠レンズを用意するというのはとても無理な話だ。かりに特注で作れても余りにも高価で余りにも大きくて実用にはならない。デジスコに当てはめるとフィールドスコープとコンパクトデジカメを組み合わせるだけだから、とても安価で、サイズも小さく、持ち運びは楽だ。

 レンズの焦点距離が短くてもなぜ大きく写せるか? その理由は、いま計算したように撮像素子が小さいからだ。35mmフィルムに比べて撮像素子がぐっと小さい事がこのような利点を生み出す原因だ。

 もう一度、話を整理すると、35mmカメラでは対角線が43mmなので4300mmレンズが必要。APS−Cサイズのデジカメでは対角線が28.4mmなので2840mmレンズが必要。オリンパスの4/3システムでは対角線が22.3mmなので2230mmレンズが必要だが1/1.8デジカメでは対角線が9mmなので900mmでよい。
 APS−C一眼デジカメとフィールドスコープとの組み合わせでは、一眼デジカメに70mmレンズを使えば40倍接眼と組合せ2800mmになる。またオリンパスの4/3では55mmレンズを使えば同様に撮影できる。

 ここまでの考察では、コンパクトデジカメとフィールドスコープの組合せは画期的な超望遠撮影を実現する最高のシステムということになるが、35mmフィルムやAPS−CサイズのCCDと、対角線サイズがAPS−Cの1/3しかない1/1.8サイズのCCDを使って同じ画質の画像が撮れれば良いのだが、そうはいかない!基本感度がISO50対ISO200、2絞り違う。

 600万画素のAPS−CサイズCCDは画素サイズの一辺が7.8μmあるが、E5900に使われている対角線9mmの500万画素CCDは画素サイズが2.775μmしかない。従来、写真学会の常識として画素サイズの限界は3μmとなっていたのが、現実はすでにそれを下回っている。画素が光子を取り込む効率も低下しS/N比(信号/ノイズ)も低下し基本ISO感度も64になっている。微小サイズ画素による画質低下をカバーしようと画像処理技術も進歩しているがカバーしきれているとは言えない。

 デジスコで高画質を目指すなら、最新の画像処理技術を搭載した最新のコンパクトデジカメへの更新が必要だ。その際、多画素を追いかけた製品は避けたほうがよい。
 コンパクトデジタルカメラを選択するときにまずチェックすべき項目は、最高ISO感度ではなく最低ISO感度の数値だ。
 例えば、兄弟機のE7900とE5900は画素数が700万画素と500万画素の違いだけだが、最低ISO感度はE7900が50でE5900が64である。裸の性能はE5900の方が上である。
 最近、高ISO感度を謳ったコンパクトデジタルカメラが次々と出てきているが、最高感度の方を見ないで、最低感度が50なのか64なのか80なのか100なのかを見て欲しい。本当の実力は最低感度に表れる。
デジスコはなぜ小さな対物レンズでF値が大きいの?:2005年11月21日
 −−−−先の話の続き−−−−  35mmカメラで20m遠方の20cmの鳥を対角線いっぱいに写すには4300mmのレンズが必要だが、このとき、F値11を確保したければ対物レンズの直径は4300÷11=390mm必要になる。商品としてありえない大きさだ。一方、デジスコでは、900÷11=82mmとなり、ニコンのフィールドスコープED82を使えば実現できる。35mmカメラに比べて撮像素子が小さいことが幸いしている。

 デジスコの利点は、フィールドスコープと組み合わせるコンパクトデジカメの撮像素子の小ささがよりどころになっているのだが、小さい撮像素子は大型の撮像素子に比べて画質の低下と感度の低下というマイナス面を持っており、その利点と欠点のバランスで、いかに利点の比重を高めるかがポイントとなる。撮像素子が小さくても高画質で高感度で使えるデジカメの選択が重要である。

 フィールドスコープとデジカメという二つの光学システムを勝手に組み合わせるデジスコでは、光軸のずれ以外にフレア処理など問題が多い。最初からフィールドカメラとして、対物レンズ82mmで焦点距離300mm〜900mmズーム、F3.6〜F11、撮像素子1/1.8のフィールドカメラが存在したら撮影に専念できる一番使い勝手が良いものになるだろう。
デジカメの鏡筒を黒く塗装:2006年01月14日
黒塗装したE5900 メインに使っているデジスコシステムは、フィールドスコープがEDV、コンパクトデジカメがCoolpix5900ですが、E5900の鏡筒(レンズ部)は、金属光沢でピカピカに輝いています。デジスコにとって鏡筒の輝きは、甚だ都合が悪いのです。デジカメのレンズ鏡筒は接続アダプターFSB−1の中でフィールドスコープの接眼レンズと向かい合っている状態ですが、接眼レンズからの光束は、デジカメレンズ周囲の鏡筒部にも広く照射されます。金属光沢部を照らした光はFSB−1の中で反射を繰り返します。写真画像の暗部に乱反射した光があたり、結果的にコントラストの低い眠い調子の画像になってしまいます。

 今回、FSB−1内部のフレア防止のために取った対策は
(1)FSB−1内側に植毛布を貼る。植毛布は、カメラ修理用品として手に入ります。昔のカメラの内部には反射防止目的で必ず貼り付けられていました。
(2)デジカメE5900のレンズ鏡筒を無反射黒塗料で塗装する。カメラに塗装すると転売が不可能になってしまいますが、使い尽くす覚悟で踏み切りました。模型用の塗装用品が手ごろです。

 その結果は、驚くほどコントラストが高くクリアーで彩度も高い画像に変わり驚きました。デジスコシステムを1台のカメラと考えたら当然しなければならない対策です。
トップページに戻る
デジカメ用液晶フード固定枠を作る:2006年01月14日
アクリル棒でビューワの固定枠 デジスコ用デジカメはE5900を使っていますが、ルーペ付き液晶フード「ケンコーデジタルウィンドウDW−46」が固定されていないので正位置からずれる可能性がありました。実際常にずれていました。

 固定用の枠を2mm角のアクリル角柱で作りました。E5900の液晶枠の上に4本のアクリル棒を両面テープで貼り付けました。DW−46の内寸とアクリル枠の外側の寸法がぴったりなので、高さが2mmでもしっかり食いつきまったくずれなくなりました。快適です。

 2mm角のアクリル角柱は1mが50円ほどです。両面テープはニトムズ社の強力多用途両面テープT283を使いました。これは15mm×10mで400円です。
ブラケットFSB−1周辺の改良:2006年01月18日
 フィールドスコープの接眼レンズとデジカメE5900またはE7900とを接続するニコンビジョン製の部品がFSB−1で、簡単にデジスコシステムが完成するようになっている。フィールドスコープとデジカメをFSB−1で接続すると超望遠撮影が可能なデジスコシステム(ニコンビジョンではデジスコーピングと呼ぶ)が一応完成するが、さらに使いやすく、高性能な画質にするために色々手を加えている。

FSB−1周辺の改良  1)先日書いたようにFSB−1内部の乱反射防止のためにデジカメ鏡筒の黒塗装と鏡筒内部に植毛布を貼ったのもクリアーな画質にするための手段だが、それ以外にも色々手を尽くしている。

 2)シャッターを切った際のブレを防ぐため、エアーレリーズを使っている。ゴムの球を握ると、内部の空気が圧縮されチューブ内を圧縮された空気が伝わり端子の棒を押し下げる。一般的なケーブルレリーズよりは手の動作がカメラに伝わりにくい。

 3)FSB−1は、デジカメE5900の三脚座にネジを締めて固定する仕様になっているが、下から一箇所で留めているので平行性の確保と光軸の一致の2点で多少信頼感が薄い。デジカメ底部をネジできつく締めた状態では最広角側で左上が多少暗くなる。フィールドスコープの光軸とデジカメの光軸が一致していない証拠だ。

 FSB−1の後部にデジカメを押し当てて見るとFSB−1の筒とデジカメ鏡筒の間に1mm程度の遊びがあり、上下左右に動かせる。両方の中心をぴったり合わせるためにとった対策はFSB−1の筒後方の内部にテープを貼り付けて両者のサイズをぴったり合わせることにした。筒後方はゴムになっている。ここに貼ったテープは写真関係でよく使われている通称パーマセルテープ(米国製)。無反射黒色の紙製ではがしても糊残りが無い。これを5ミリほどの幅に切って内部に5重に巻いた。1周の長さは直径×πで計算する。5重に巻くとぴったりデジカメの鏡筒基部が吸い付くサイズになる。

 三脚座をきつく締めるとせっかく中心を合わせたのに違った方向にひっぱられるので、落下防止目的だけのため、ゆるゆるにしておく。液晶ビューワDW−46のシリコンゴム輪がFSB−1とデジカメを垂直に押し付けているのも落下防止に役立っている。
 この簡単な対策で広角側でのケラレが特定の角に発生する現象はなくなった。光軸が一致したのか、周辺部で木の枝など細い棒状の被写体の周囲に発生していた色ずれも消えた。

 4)照準器に使っているビクセンのドットファインダーはダイヤルの回転で明るさ調節とスイッチを兼ねているが、スイッチを切らずに放置して電池をすぐ消耗させる。改造してスイッチ機能を外部に取り出す手段もあるが、ダイヤルの上部に0位置(電源OFF)を示す白い線を修正液で書いた。これだけでスイッチの切り忘れを防ぐ効果が上がった。

 5)FSB−1のレリーズ受け口近くに振動吸収材として有名な青色のソルボセインを貼ったが効果は未知数。
デジスコの画質を検証する:2006年02月12日
 フィールドスコープで遠くの小さな野鳥を大きく撮影できる"デジスコ"は、確かに魅力的な手段だが、被写体を画面に同じサイズで捉えたとすると、一眼レフデジカメ+超望遠写真レンズに比べて解像度はかなり低い。

 写真に詳しくない、本当の写真の解像度のすごさを知らない人に、デジスコで撮った写真を見せると「わーきれい!」と誉めてもらえるが、厳しい写真鑑賞眼を持った人をごまかせるレベルではない。

 1年以上かけてデジスコシステムも改善に努めてきたが、どういう組合せでどれだけの画質なのか系統立てて調べて見たいと思い立って準備を進めた。

 デジスコシステム(フィールドスコープ+接眼レンズ+デジカメ)の組合せとデジカメレンズの焦点距離で解像度はどうなるのかを確かめる実験だ。

 解像度に絞って調べるため、他の要素を排除する必要がある。まず、ぶれを徹底的に排除するため砂袋を準備した。ふるいでサイズを揃えた砂を10キロほどごみ袋に詰めた砂袋を用意した。スコープとカメラを砂袋に半分埋めた状態で撮影テストを実行した。

 被写体は、ドイツで作られたスズメサイズの犬の縫いぐるみを利用した。縫いぐるみの表面は非常に細かい毛が植毛されている。その毛が分離して再現されているかどうかに着目して解像度を判断した。

 縫いぐるみが画面一杯に写るように、デジカメのレンズ焦点距離を動かすのにあわせて被写体距離を調節した。この作業は随分時間を要した。

 テスト結果を5段階評価をした。一眼デジカメでの直接撮影の画質を5として、画像処理しなくても鑑賞に堪える画質(縫いぐるみの植毛の1本ずつをぎりぎり解像している画質)を4植毛の1本ずつの表現があいまいになっている画質が3画像処理でシャープネスを強く効かせて素人目をごまかせる画質が2作品にできない画質が1ぼけて評価の対象外の画質が0とした。

テスト被写体の縫いぐるみ  EDVと24倍接眼レンズの場合はズームレンズの焦点距離にかかわらずAFもスムーズに働き問題は少ない。

 EDVと40倍接眼レンズとの組合せでは、デジカメの望遠側でAFが合いにくくなる。AFが働き合焦すれば2以上の画質を確保できる。ピントが合わないことが最大の問題。
 E5900の場合、ピントが合わなくなる限界点が10.6mmで、このときの35mm換算合成F値はF7.C5060WZの場合は限界点が16.5mmで、F値はF11と1絞り暗い合成F値までAFが働く。
 E5900は広角側で、C5060WZは中焦点域で使えばAFが働く可能性が高い。それより望遠側を利用するとAFが正確に働かずピンぼけの確率が高い。

 1月に追加導入した口径82mmのED82についての試験結果はまた次回に。
トップページに戻る
ED82の重心を支える:2006年02月19日
 1月にニコンのフィールドスコープED82を新規購入した。今まで使っていたEDVに比べ対物レンズの直径が1.37倍になるので、明るさが1.87倍になる。カメラ的表現では一絞り弱明るくなる。デジスコにとっては利点が大きい。レンズが明くるくなるとオートフォーカスが望遠側でも正常に作動する可能性が高まる。従来使ってきたEDVでは、40XW接眼レンズを使うと望遠側でAFが誤作動してピンぼけの山を築いていた。

 重たくなる、値段が高い、ピントが浅くなるのは欠点とされるが、ピントの浅いのは写真のねらいが強調されてむしろ長所だと考える。

ED82重心サポート  ED82はEDVに比べて重心が三脚座付近にあるが、カメラを取り付けると重心がずれてしまう。ED82の後部をサポートする工作をした。後部を下から支えたいのだが後部は曲面で更に傾斜もしているので支柱を立てにくい。そこでED82の後部にエポキシパテ金属用を使って平らな台座を作った。固まると金属のようになり原状回復は無理。

 雲台はスリックのフィールドバランスだがクイックシューの上にL型のアルミ材を重ねて写真のような工作をした。3ケ所をネジで止めているがすべて1/4W(20山)のインチネジを使っている。三脚座のネジ山と同じ規格で統一している。バネワッシャを入れて3ヶ所できつく止めているので振り回してもびくともしない。

 アルミ材は黒く塗装している。その上の白いテープは、カメラを取り付けた際の重心位置を示す。E5900の場合とC5060WZの場合の重心を示す。
FSB−1の光軸ずれを防ぐ工作:2006年02月20日
 1月18日のブログで、ニコンビジョン製アダプターFSB−1の改善策を紹介した。光軸合わせのためにFSB−1筒内部のサイズをテープで狭めてE5900のレンズ座金にぴったり合わせるアイデアを紹介したが、このままでは三脚座一箇所だけでゆるく止めているので何かのショックで光軸が傾いてしまうアクシデントが時々発生する。

 対策としてFSB−1上部とデジカメE5900の上部を密着させるためにアルミ材を使って挟み込む工作をしたので紹介する。

 昔から電子工作(無線機器、オーディオ機器、コンピュータ)を続けてきたので様々なアルミの端材を大量にもっている。使えそうなアルミ材をFSB−1やカメラに当てながら設計図も書かずいきなり工作にかかる。経験と感がたよりの職人タイプ人間である。

 写真のように上部をはさみつける装置を完成させた。
FSB−1を改善 装置はまず、カメラの後部液晶を見ながら四隅にケラレが出ないように、はさみつける圧力を加減しながら、二枚のアルミ材を強力な両面テープで張り合わせた。その次に装置をFSB−1から取り外しネジとナットで固定した。

 余計な穴が沢山あいているが廃品利用のためだ。後でエポキシパテで埋めて上から塗装するので見栄えも問題ない。

 工作に使った工具は、アルミ切断用のノコギリ、直角にケガキ腺を引くためのスコヤ、半円形に切断するための金属用ドリルとニッパ、切断跡を滑らかにするためのヤスリ各種、寸法を測るノギス。材料としてはアルミの端材以外に直径3mm長さ8mmのJISネジとワッシャとナットが2組。

 長さ50mmのネジを購入して、サイドをネジでつなぎとめ、締め付け具合を調節できるようにする予定だ。
デジスコの画質を検証(ED82の場合):2006年03月12日
 前回、EDVを使ってデジスコ画質を検証したが、今般、E5900の光軸調整をより厳密にした結果、カメラのAFが望遠側でも正しく働くようになった。
E5900のAFは、「オート」か「中央」を選ばないと青い合焦マークが点灯しなかったが、AFターゲットを「マニュアル」にしても合焦するようになった。
AFがうまく働かずピンぼけ写真の山を作っている方は光軸調整をシビアにやってみたらいい。
ED82と50XW接眼の組合せで前回と同じ縫いぐるみ犬を被写体にテストした結果を次に示す。評価値も前回と同じ5段階評価である。 E5900の最望遠端である23.4mmでは合焦しても甘い描写だが、中間域までは随分シャープな描写をする。E5900もなかなか捨てたものではない。
トップページに戻る
一眼レフ対デジスコ:2006年05月01日
 野鳥撮影ポイントへ出かけると1年前なら、超望遠レンズ+一眼レフの方が多数派だったが、今ではフィールドスコープにコンパクトデジカメを組み合わせた"デジスコ"スタイルが多くなってきた。
 昨年秋に新淀川にクロツラヘラサギが9年ぶりに現れたと新聞で見て、翌早朝、現地に行ってみると、野鳥マニアの機材は、500mmF4または600mmF4と一眼デジカメの組合せが6割から7割だったが、今は五分五分状態になってきた。
 私自身は超望遠レンズは慣れきっていて楽に扱えるが、野鳥撮影に関する限り、もう一眼レフデジカメの出番はないのではないかとまで考えている。

一眼レフ対デジスコ  35mmフルサイズ撮像素子を使うEOS5Dに500mmレンズをつけて例の被写体でテスト撮影してみたが、画面いっぱいに撮るためには被写体距離を2m80cmにしなければならなかった。デジスコシステムなら20m以上離れて撮影できるのだが。
 3mの距離で撮影するには、ブラインドの中に隠れて鳥を餌付けするか、1ヶ月かけて鳥の行動をよく観察した上で日の出前からブラインドの中で一日待機するような撮影手順が必要だ。

 タムロン500mmF8レフレックスレンズを使ったテスト撮影で画質評価をすると5段階評価で1ぐらいの画質だった。デジスコシステムの評価は4ぐらいになるのに。最新の500mmF4を使えばまったく違う画質になるだろうが、距離の問題はどうすることもできない。

 鳥の図鑑を見ると長い年月をかけて一眼レフで撮影したことがわかるが、図鑑の目的である種別の判定材料を提供するためには、もっと鮮明でアップで捉えた多様な角度からの写真を並べたほうがいいに決まっている。アマプロを問わず多くの人が撮影した膨大な数のデジスコ写真を集めればもっと良い図鑑ができると思うのだが。
FSB−1のレリーズステーを強化改造:2006年05月14日
レリーズ用ステーを強化 ニコンのフィールドスコープ接眼レンズワイドDSシリーズとコンパクトデジカメE7900、E5900を接続するニコンビジョン製アダプターFSB−1。

 FSB−1には、シャーターレリーズを取り付けるためのシャッターレリーズ受け用ステーが備わるが、厚さ0.5mmほどの鉄板。この部分がシャッターを切る度にたわんでシャッターが切れた後、振動しているのではないかと疑いを持っていた。振動の可能性を無くそうと考え、エポキシパテ金属用で鉄板の裏表を厚く塗り固める工作を実行した。

 添付写真の↑が指し示す白い部分がエポキシパテ金属用。10分で固まり、切削加工も可能になる。この後、サンドペーパーで磨いて黒く塗装する予定だ。
 加工後、テスト撮影を大量に実施したが、ブレ現象は見られない。
接続アダプターFSB−1のずれ防止策:2007年02月22日
 フィールドスコープのアイピース(接眼レンズ)にコンパクトデジタルカメラを取り付けて拡大撮影するやり方をいつのまにか、"デジスコ"と呼ぶようになった。そこで重要なのがアイピースとカメラを接続する部品である。私のつかっているのは、ニコンのFSB−1というアダプターである。

FSB-1とアイピース  これに少々問題がある。アダプターはアイピースを包む形で組み合わされ(アイピースがアダプターに挿入される)アダプターのネジを締めるとネジの頭がアイピースの溝に食い込みがっちりと固定されるはずなのだが、時々知らない内にずれていて片ボケ、全面ボケ、片側露光不足などの失敗を引き起こす。

 なぜ、ずれるか? アイピース側の溝は巾が7.5mm(写真の2本の黄色矢印の間)あるが、ネジは直径4mmで頭部はもっと狭くて3mmぐらい(写真の赤矢印)。金属の硬さが同じぐらいなので、ネジがアイピース側へ食い込む固定力が余り働かない。すべってしまう。ちょっとした接触で7.5mmの溝の中を3mmのネジ頭部がすべって移動するのだ。

 この現象を防止するため、アイピースの溝に3mm巾のアルミテープを巻いて(写真の2本の緑矢印の間)ネジが移動する遊びスペースを最小化した。0.05mm厚のアルミの表面に黒塗装し裏面に接着剤を塗布して0.1mm厚になっているテープをナイフで3mm巾に切って7重に巻いた。

 溝自体は残っているのでカメラの縦横回転も自由に行える。スコープを振り回してもアダプター側(カメラ側)はまったくずれなくなった。
トップページに戻る


カメラをP5000に変更、システムを大幅更新:2007年4月2日

 2年以上に渡ってニコンのコンパクトデジタルカメラE5900を中心にデジスコシステムを運用してきたが、ニコンからP5000と接続アダプターFSB−6が発売されたの機会に大幅にシステムの入れ替えを行った。
 カメラがE5900からP5000に、接続アダプターがFSB−1からFSB−6に、雲台をフィールドバランスからFHD−61Qに、三脚をCF631LからCF641Lに、液晶モニター用のビューアをDW46から2027Wへ変更した。ロングプレートQB−F51Lも同時に導入している。
デジスコシステム大幅更新
 P5000は、撮影モードがP(プログラムオート)以外にS、A、Mがあるので撮影意図に合わせてシャッター速度と絞りの組合せを選べる。また、液晶モニターが2インチの11万5千画素から2.5インチで23万画素に倍増したため、フィールドスコープのピント合わせが相当やりやすくなった。AW(オートホワイトバランス)での補正能力が格段に向上している。E5900では早朝の赤い太陽光が補正できず、白や灰色の鳥がオレンジ色の鳥になっていたが、P5000は室内テストでも3800°Kの写真電球を正確に白色に補正する能力を示した。また、オートフォーカス能力も大幅に向上している。E5900では30倍接眼レンズ使用時にAFエリア選択をマニュアルにした場合、ピントが合うのは広角側だけだった。P5000ではAFエリア選択をマニュアルにした場合も広角から望遠まで問題なくAFが正常に働く。更にAFが正常に働きにくかった50倍接眼レンズ使用時にもAFエリア選択をマニュアルにしても望遠端まで正常に動作する。以上の点はデジスコシステムにとって多大な利点をもたらしてくれる改善個所である。E5900の500万画素からP5000は1000万画素になったが、画質にとっては無意味な変更点である。1/1.8インチCCDにとって500万画素あたりが限界で1000万画素はなんら画質向上に寄与しないだけでなく、データ量が増加して処理速度の低下とメモリへの書き込み速度を遅くする要因の一つになっている。また、画素数増加は画素サイズを更に微小化し、S(シグナル)/N(ノイズ)比低下要因にもなっている。

 FSB−6は、P5000のレンズ座部分のネジ(直径約43mm)を利用して接続するので、FSB−1に比べて微妙な光軸調整の手間が掛からない。前回(2月22日)の説明で書いた改良点、すなわち、アイピース(接眼レンズ)の溝をアルミテープで狭めてFSB−1の位置ずれを防ぐ工夫は、今回、FSB−6のネジ位置が異なるので、そのまま使えずやり直すことになった。P5000のレンズ座部分のオスネジにFSB−6のメスネジを押し付けねじ込んでいくのだが、ネジ溝の終端が正確に切られていないので、アイピースと接続する側のネジ位置が上部に来る保証はなく、締め付けにくい下側になったりする。撮影結果に影響はないが気分は良くない。

 FHD−61Q雲台を新規導入した。今まで使ってきたフィールドバランス(市価37,800)に対しFHD−61Qは市価16,000程度と安価である。堅牢に作られているフィールドバランスに対し弱々しい印象があるが、初期性能はなかなか優秀である。ジンバル雲台ではないので、ティルト動作が上下30度にも達するとバランスが崩れる、しかし上下15度程度の範囲内では固定ネジを締め付けなくても思い通りの場所にほぼピタリと停止する。フィールドバランスより粘性オイルが優秀なようだ。重さがフィールドバランスの1.2キロから0.9キロと軽量化されたのも嬉しい。華奢な印象が強いFHD−61Qの初期性能がいつまで維持されるか心配ではある。欠点はパーン棒の脱落防止装置が無いのでフィールドで何回も落とし、ついに紛失してしまった。海外だったので木の枝を拾ってナイフで削り臨時のパーン棒を作る羽目になった。

 液晶モニター用ビューアは今まで使っていたケンコーのDW−46が2インチ液晶までしかカバーできないので、2027Wを送料込み\8,700で購入した。最初、丁寧な作りで関心したが、色々問題点も明らかになってきた。取付台座と呼ぶ四角の枠をまず両面テープで液晶面上に固定し、枠の四隅に立っている金属ピンにゴムでできたビューワ側の四隅の穴を差し込んで固定する。ピンと穴の固定が極めてがっちりと止まる。がっちり止まることが欠点になる。フィールドで使うとどうしてもビューワに手や体の一部が接触したり枝があたったりして予期せぬ力が加わる。そのとき、その力を逃がす個所が必要なのだが、枠のピンと穴の固定がしっかりしすぎているので、横からビューワに当たった力は台座の両面テープをはがすように働いてしまう。その点、DW−46は、シリコンゴムひもで止めてあるだけで横からの力をゴムがいくらでも伸びて逃がしてくれる。位置がずれたら手で元にもどせば良いだけだ。2027Wの両面テープは何度もはがれ、押し付けてもつかなくなってしまった。フィールドでは横から加わる力は避けようがないので、柳に風と逃がす工夫が必要で改造すべき点である。更に使いずらいと感じたのは、レンズの拡大倍率が3倍では大きすぎ、23万画素の液晶の画素そのものを強調しすぎる点である。23万画素液晶面でのピント合わせに対しては1倍〜1.5倍程度と低倍率の方が使いやすい。もう二点、注文がある。台座からレンズ部分までの全長が82mmもあり、デジスコシステム全体の長さが更に伸びて使いにくくなる。短いほど使いやすいのだ。もっと短焦点のレンズを採用すれば短くできる。もう一点は、視度補正の仕組みが無いことだ。視度はユーザー毎に異なる。私の場合は、更にレンズを10mmほど液晶面から遠ざけた位置がベストだった。

 カーボン三脚は、CF631ELと呼ぶ3段三脚を使ってきたが、雲台付きで旅行用トランクに収まらなかったので、4段三脚CF641ELを購入して海外に持っていった。雲台を含めて57センチ程度でトランクにも楽に収まり運搬には好都合だったが、現地での使用では、開脚長が数センチ低いことが随分使いずらいものだと思い知らされた。次からは運搬サイズが長くても元のCF631ELを持っていくつもりだ。

ビューファインダーを支えるアンダーステイを自作:2007年4月21日
 2005年05月26日に書いたように、ニコンビジョン社のFSB−1とビューファインダーを繋ぐパーツがDOS−FSB1である。今度のFSB−6にはDOS−FSB1を取り付ける個所が無い!。そこでP5000の三脚ネジ穴を利用して通称「アンダーステイ」を自作した。

自作アンダーステイ前部 自作アンダーステイ手書き図面  2mm厚のアルミ板を使用。電子工作で使った廃材の再利用である。L字型に曲がった部分を利用して水平方向の動きを止められると考えて加工したが、三脚ネジ穴の位置をよほど正確に開けないと水平に少しは動いてしまう。
 そこで後に液晶ビューワ側にもL字のアルミ材を使って回転防止加工を追加した。結局、前後両側から挟み込む形になった。
 2枚のアルミ板は、P5000に押し当てきっちり挟み込んだ状態で両面テープで仮留め、その後、直径2mm長さ4mmのタッピングネジ3本で固定した。三脚穴との固定は1/4Wインチネジを使用した。

自作アンダーステイ後部  加工手順を細かく説明すると、回転防止のアルミ小片に2mmのネジ穴を3個開けてから両面テープで仮固定し、次に2mm穴を通して下側のアルミ板に1.5mmドリル錐で穴を開け、2mmのタッピングネジをねじ込んだ。
 また、後部は液晶画面が下端近くまで広がっているので、回転防止の爪は大きくできない。P5000の下部は曲面なので密着度を上げるため金属エポキシパテを併用している(写真参照)。
 当然だが、電池交換が何時でもできるようにアンダーステイのサイズは工夫している。アルミ板は長さ60mmで、端から8mmの位置に三脚穴と接続する穴を開けている(手書きスケッチ参照)。
 三脚穴固定ネジにバネワッシャ−を入れるべきか思案中だ。弛み防止には必要だがP5000ボディに影響が無いか若干心配でもある。

液晶ビューアDW−46を改造:2007年4月23日
DW−46改造  P5000の液晶モニターが2.5インチに大型化したのに合わせて2027Wを購入したが、使ってみると不都合が多々あって、結局、自分で作る以外に自分にとって使いやすいビューアは存在しないと改めて認識させられた。
 低倍率のルーペは、ネット上で探したが見つからない、と言って百円ショップて売っているようなプラスチックルーペも使いたくないし、ルーペ探しで立ち往生してしまった。倍率3倍のルーペを使っているのは気に入らなかったが、それ以外では使いやすかったケンコーのDigital Window DW-46を2.5インチをカバーするように改造することにした。
 ルーペ自体は2.5インチ画面をカバーしているので、視野を妨げているDW−46の筒下部を10mm短く切り詰めた。新たにポリプロピレン板を使って内寸57.5mm×43mmの大きな四角い筒(長さ40mm)を作ってDW−46をはめ込む"ゲタ"にした。ゲタを履いたDW−46は以前より2mm長さを伸ばしている。自分の視度に合わせて補正した。ゲタとDW−46の隙間はポリプロピレン板やプラダン(ポリプロピレン素材のダンボール状板)などで埋めた。ゲタと隙間材とDW−46は強力両面テープで張り合わせているが、高温で流動化してずれが発生する可能性があるので4ヶ所でネジ留めも施した。
液晶モニターに枠  カメラの液晶モニター側には、ゲタを正しい位置に導くために、2mm各のアクリル角柱で42.5mm×57mmの枠を作り両面テープで貼り付けてた。DW-46はシリコンゴムの張力でカメラに固定するので横から力が加わってもゴムが伸びて力をやり過ごし破損を防ぐ利点を持つ。アクリル枠も高さ2mmと浅いので、DW−46が横からの力を受けると簡単に乗り越えて位置がずれることで破損を防ぐ。
トップページに戻る
P5000の連写速度を計測:2007年5月26日
 私にとってカメラの連写速度は大して重要ではないのだが、1000万画素+ファインモードで、たまに連写すると、6コマ目あたりからメモリーカードへの書き込みが終わるまで、撮影がストップしてしまうのがつらい。手動計測で簡単なテストをした。
 カードが2種類。一つは20MB/秒の松下製高速SDカード(512MB)。もう一つは余り早くないidx製SDHCカード(2GB)。
  1. 条件1は、1000万画素、ファインモードで10コマ連写。 松下製は22秒95、idx製は24秒45だった。カードによる差はあるが実際の使用では無視できる。
  2. 条件2は、1000万画素、ノーマルモードで10コマ連写。 松下製は15秒17、idx製は16秒16とこれも僅差でカードによる差は無視できる。
  3. 条件3は、500万画素、ノーマルモードで10コマ連写。 松下製が、13秒98、idx製が14秒22だった。これも差は無視できる。
条件1は現在使用中の設定だが、6コマ目あたりから書き込みが停滞して次の撮影がストップしてしまう。 条件2と条件3の差は大きくないので条件2に今後は設定を変更しよう。 ただ、このテストが10コマ連写なので条件2と3で差が少なかったが、条件2の場合、9コマ目あたりから書き込みが滞りだすので20コマ連写テストをやると大きな差が生ずるだろう。

P5000はAFが最大の問題点:2007年6月2日
 P5000を単体で使う場合にはAF能力になんら問題はないのだが、デジスコとして使うと困った現象が発生する。明らかなピンぼけ状態でも青い合焦マークが点灯(写真参照)するのだ。今まで使っていたE5900ではデジスコとして使った状態で、もしボケておれば赤いマークでピントが合ってないよと教えてくれたのだが、P5000は青い合焦マークが点いても安心できない。
P5000の液晶画面 カメラ単体としてはP5000のAFの方が進歩している。世の中の被写体には霧に覆われた湖とか空に浮かぶ雲だとか写真を撮りたくなる被写体の中にもシャープでないぼやけたものが存在する。おそらくE5900ではAFがピント位置を探しあぐねて赤いマークを点けてお手上げになるが、P5000はその条件の中でレンズを前後させ一番ベストな状態を見つけて青い合焦マークを点灯する。カメラとしては進歩しているのだがデジスコでは困るのだ。デジスコでは液晶画面で構図を決めフィールドスコープのピントリングをまわして、被写体にピントを合わせなければならないが、23万画素の画面では正確なピント確認にはまだ能力不足でカメラのAFを信じてAFに任せるしかないのだ。液晶モニター画面ではピントが合っているように思え、なおかつ青マークが点灯したので安心して撮影していると、後でピンぼけ写真の山を見て愕然とする羽目になる。
 P5000をデジスコに使ってピントがピタリと合ったシャープな写真を撮るにはどうすれば良いのだろう?
 一つの解決策は、昔のデジスコマニアがやっていた方法だが、フィールドスコープのアイピース(接眼レンズ)を直接目で見てピント合わせを行い、改めてアイピースにカメラを接続してAF撮影をするのだ。光学的には、アイピースを直接、目で見てピントを合わせた状態は、アイピースに接続するカメラ側から見ると、目的の被写体が無限遠にあるのと同等になる。カメラのAFは目的の被写体が無限遠の位置にあると考えてピントを合わせるので間違いなくシャープな写真が撮れる。テスト撮影を繰り返し必ずシャープな映像を得られることを確認したが、カメラを付けたり外したりなどやっていれば野鳥はいなくなってしまう。

P5000でピントが合ったデジスコ写真を撮る手順:2007年6月2日
 ピンぼけ写真を調べるとわかるのだが、そのほとんどが前ピンになっている。言い換えれば目的の被写体がピント位置より後方にある。カメラはAFエリア(AFターゲット)が狙った被写体にピントを合わせようと必死に努力する。だが、ピントを合わせる事ができず、前ピン写真になってしまった。P5000には、4つのフォーカスモードがある(使用説明書31ページ)。通常フォーカスモードでは、AFは無限遠から30cm(広角側)の範囲の被写体にピントを合わせようと働く。一方、撮影者は、液晶モニター画面を見ながらフィールドスコープのピントリングを回してピントを合わせる。カメラの電源を入れた直後はカメラは無限遠にピント位置はあるが、撮影を続けるとピント位置が無限遠から30cmの範囲のどこにあるのかまったく不明になる。その状態のカメラを通してフィールドスコープのピント合わせをするのだから、狙いの被写体より手前にフィールドスコープ単体のピント位置を動かしたり、逆に狙いの被写体のはるかに後方にピント位置が移動したりすることもありうる。狙いの被写体より手前にフィールドスコープ単体のピント位置があったとすると、(フィールドスコープ単体のピント位置がカメラにとっての無限遠であるので)カメラにとっては無限遠より更に遠方に狙いの被写体があることになり、カメラのAFは無限遠までしか動かないので前ピン写真になってしまう。
 上の説明の理屈を踏まえて、確実に目的の被写体に正確にピントが合った写真を撮るためのテクニックを次に述べる。以下の説明はニコンのフィールドスコープについてであり、他社はピントリングの回転方向が異なるので注意。
  1. フィールドスコープのピントリングを撮影者から見て反時計方向に狙いの被写体がボケるまで回す。
  2. カメラのシャッターボタンを半押しする(ここまでの操作でカメラのピント位置は無限遠になる)。
  3. カメラのシャッターボタン半押しを止め、フィールドスコープのピントリングを撮影者から見て時計方向に回していく。
  4. ピントが合った状態になるが更に少しボケる位置まで回す(フィールドスコープのピント位置がカメラから見て無限遠より少し手前になるので、カメラのAFが正常に動作する無限遠から30cmの間になった)。
  5. カメラのシャッターボタンを半押しし、青い合焦マークが点灯したことを確認して、そのままシャッターボタンを押し込んで撮影を完了する。
 4つのフォーカスモードの内、遠景モードは、無限遠から5mの範囲でAF動作するが、AFエリア選択(使用説明書101ページ)でマニュアルが選べないので使わないが、近景AF(無限遠から2mの範囲でAFが働く)、通常AF(無限遠から30cmまたは70センチ=望遠側でAF動作)、マクロAF(無限遠からレンズ前4センチ=広角側でAF動作)の3つのフォーカスモードで正確にピントが合うことをテストを繰り返して確認した。マクロAFはコンティニュアスAF動作を行うので、実際のフィールドで動き回る野鳥を相手にどういう結果になるかは更に検証が必要である。
トップページに戻る
P5000のピント合わせ。上記手順でやってみた結果は?:2007年6月26日
 メジロ、シジュウカラ、エナガの混群が木々の間を移動するバードウェーブに遭遇、手順に従ってジャスピン写真をものにしようと試みたが、被写体をスポットファインダーで捕えてカメラレンズのピントを無限遠にセットしてから、カメラのビューワを覗きながらフィールドスコープのピントリングを時計方向に回転させて合焦位置を僅かに越えた状態で、シャーターを半押し青い合焦マークを確認してシャッターを全押しとやっていたら小鳥はもういない。次々とピント合わせの間に小鳥が飛び去るの繰り返しで、シャッター全押しのタイミングが訪れないまま全ての小鳥が去っていった。こりゃあだめだ。
 カメラは使いつづけると慣れて操作が早くなり最初困難だった被写体も撮れるようになるものだが、バードウェーブの小鳥たちをデジスコで追うのは正直、"しんどい(=きつい)"。
 川原の低木の先端で鳴くホオジロなどは、ピント合わせ手順通りでジャスピン写真が撮れる。川原の葦を足で掴んで鳴きつづけるオオヨシキリも簡単だ。大木の枝に止まったまま何時間も動かないアオバズクなどは楽チン被写体。水鳥のシギ、チドリ、カモメ、カモたちは少々動いても、手順を守って撮影可能範囲。一部の小鳥たちの撮影にP5000が向いていないのは確かなような気がする。アサヒカメラのニューフェース診断室のAF感度テストで使われている連続反射率変化チャートに青い合焦マークを出す"高性能すぎる"カメラはフィールドスコープのボケた映像に合焦マークを点灯してしまうカメラに相当する。
 林の中で遭遇する小鳥たちのバードウェーブには、一眼レフ+超望遠レンズを手持ちで振り回すのがやはり向いているのかなあと弱気になってくる。デジスコの場合、E5900のようにピンぼけですよと頑固に赤マークを出しつづけるカメラなら青マークを信じられるのでカメラ操作とフィールドスコープのピント合わせ操作が単純作業になりシャッター全押しまでの操作時間が短縮される。そのE5900を使っていたときもエナガの枝渡りはいつも追いきれずピントをはずした写真を撮っていたが・・・

デジスコによる飛びもの撮影の可能性:2007年6月26日
 デジスコで飛ぶ鳥を撮影しようとしても、上記手順はまったく適応不能なことはすぐにわかることだ。一度は枝に止まるバードウェーブすら撮れないデジスコで、被写体距離が高速に変化する被写体「飛ぶ鳥」が更に無理な被写体であることは明らかだ。通常のデジスコ撮影手順を全て止めて別のやり方をすれば一部の鳥については撮影が可能と考えるようになった。トビ5012
 一番撮りやすい「飛ぶ鳥」トビを相手にデジスコ飛び物撮影をやってみた。カメラのオートフォーカスは使わない。シャッターレリーズは使わない。シャッターボタンを直接操作する。シャッター半押しのままで被写体のトビを左目のスポットファインダーで捕らえ追いつづける。その状態でフィールドスコープのピントリングを回しピントを合わせ続けシャッター全押し。液晶モニターが23万画素に倍増したのでマニュアルフォーカスがかなりやりやすくなった。一眼レフにマニュアルフォーカスの旧型レンズを付けてトビを追っかけている感じだ。これもトビのような猛禽類が地上の獲物を探して上空を旋回しているので追いかけやすいが、サギなど飛び上がると遠ざかる一方だから動きが遅くても難しい。ツバメなどもう不可能。

FSB−6の本体固定ネジを上に移動する工作:2007年9月5日 FSB−6固定ネジの初期位置
 私の購入したブラケットFSB−6は「本体固定ネジ(写真→参照)」が下側に位置する。FSB−6の説明書に「ねじ切りには個体差があるため、ねじ込み後の本体固定ネジの位置はお手持ちのカメラによって異なります。性能には問題がありません。」と書かれている。でも、手を持って行きにくく、ネジを締めにくい位置である。また、カメラの重さによって下方向へのムーブメントが働く。その力を一個のネジで受け止めるにはネジが真上にあるのが力学的に合理的だ。そこで固定ネジを上にもってくる工作を行った。

ワッシャー代わりの針金リング FSB−6側のメスネジをカメラ側のオスネジに合わせて回転しながらねじ込んでいって、たまたま行き止まりになった位置で固定ネジの位置が決まってしまう。固定ネジの位置を修正するには、FSB−6のメスネジ側の筒長さを短く又は長くすればよい。短くすると修正が難しいので長くするほうから試みた。カメラのオスネジにワッシャ-をはめてFSB−6をねじ込めば、最後までねじ込めなくなるので、固定ネジの位置を修正できる。市販品のワッシャ-はないので自作しなければならないが、どうしたものか?と思案したが、思いついたのが針金をオスネジに巻きつけてワッシャ-代わりにするアイデアだ。針金を金づちで叩くと簡単に厚さ調整もできる。

ワッシャーで固定ネジ位置を修正
 厚さ測定装置がないので正確ではないが、0.3mm程度まで薄く伸ばした状態で固定ネジが上部に来た。ワッシャーを入れたことでフィールドスコープのアイピースとデジカメ側の距離が少し遠くなった影響を確かめるため、壁に貼ったテストチャート(細かい活字がびっしり並ぶ新聞の株式欄)を10mの距離から撮影した。フィールドスコープはED82でアイピースは50XW。結果は右下隅、左下隅が少し暗くなって下部の解像度も落ちている。アイピースとデジカメの距離を離すのは良くないようだ。

 そこで次に・・・・・砥石でFSB−6を削る

 FSB−6の筒の長さを縮めて固定ネジ位置を上部に修正する工作をやってみた。どうすれば正確に筒の長さを縮められるか?頭を巡らせた結果、包丁研ぎ用の砥石で擦って少しずつ削っていくことにした。砥石は鉄を研ぐためのものだからFSB−6は問題なく削っていけるはずだ。しかも砥石の巾は、FSB−6の筒の直径より広いので片削りなどいびつな削り方にはならないだろう。固定ネジ位置の修正度合いを確かめながらゆっくり研いで行った。砥石の上で1回研ぐ度に、FSB−6を少し回転し、また上から下に向かって砥石の上を動かす。1回研ぐたびに少し回転することを繰り返し均等に削っていくように注意した。 また同時にテストチャート撮影も行い画像もチャックしている。およそ0.2mm程度削っただけと思うが画面右下と左下隅がケラレで少し暗くなる現象が解消した。最初は荒砥で削り、固定ネジ位置が上部に近づいてからは仕上げ砥石を使って修正した。
 その結果、固定ネジは丁度真上に持ってくることが出来た。チャート撮影でチェックした結果、最広角側画像周辺での光量低下も気にならない程度まで改善された。
トップページに戻る
雲台FHD−61Qを修理に出し、ジッツオG2180を購入:2007年11月30日
 ベルボンのFHD−61Qは「4月2日」の項に書いたように、初期性能は優秀だが弱々しい印象があり、この性能がいつまで持つか疑問に思っていたが、半年を過ぎたころから、オイルの働きが悪くなり、手を離せば止まるという性能が衰えてきた。更に、ティルト動作(上下の首振り運動)を止めるストッパーがまったく利かなくなってしまった。クイックシューの前後方向へのスライドが滑らかに動かなくなった。使い始めてすぐにパーン棒を旅先のベトナムで紛失してしまったのも、ストッパーが弛んでも脱落を防ぐ仕組みが何も施されていないためだ。我慢し切れくなって購入先に持ち込んで修理を頼んだ。保障期間内だが、費用が発生するかもわからないので見積もりを取るという。また年内に修理は無理ではないかとも言われ、こりゃあだめだと、別の店へ雲台購入に走った。G2180
 同じベルボンの耐荷重が一番上のFHD−71Qにすると、クイックシューが共通でそのまま使え乗り換えが楽だが、同じ欠点が予想される。他の雲台も検討した。ジッツオのビデオ雲台G2380は昔からデジスコ用として定評があり、自重1.4Kg耐荷重5Kgでかなり頑丈そうだし、値段も実売24000円程度と安い。リーズナブルだが面白みはない。結局、今回は、ジッツオがフィールドスコープ用に開発したG2180を購入した。自重570gと超軽量でありながら耐荷重は4Kgあり、独立式フリクションコントローラー以外に、調節機能付きカウンターバランスも搭載されている。価格は少々高くて実売31230円。ロングプレートも6720円で購入した。重量がG2380に比べ約1Kgも軽い。一般に雲台は、耐荷重が大きいと重く高価になる。高級品を揃えたカメラマンほど重たい機材をヒーヒー言いながら運ぶという風景を目にするが、耐荷重や機能が同じなら、軽いものほど高いのが当然と思うのだが、そういう商品は少ない。G2180は、機能が高く、耐荷重もそこそこありながら超軽量だから高くて当然と納得して購入した(手の平に収まるほど小さい=写真)。
 今回、他にも良さそうな雲台が色々目に付いた。業務用ビデオ三脚で定評のある平和精機が、フィールドスコープや望遠スチール撮影も視野に入れて開発したフィールドシリーズのF101、F202、F303だ。三脚と雲台がセットになって標準価格29,400円、46,200円、77,700円と超お徳だ。雲台だけならH10F、H20F、H30Fが発売されていて、標準価格11,760円、27,300円、46,200円だ。デジスコ用としてお勧めはF202で、耐荷重4Kg、三脚込み総重量3.7Kg、この機種だけにカウンターバランスが搭載されている。三脚には、傾斜地で水平出しが簡単にできるボールレベラーが組み込まれている。三脚の付根に自由雲台が組み込まれているようなものでセンターポールが自由自在に動かせ水準器を見ながら水平位置で固定できる。ジッツオならレベリング三脚シリーズGT2530LVL、GT2540LVL、GT2941LVLに組み込まれている。
 店に商品は無かったが、マンフロットの雲台503HDVは、一眼レフ用超望遠レンズ購入後に、食指が動いている商品である。自重1.9Kg、耐荷重8Kgと大型雲台だが、フリクションコントロールは当然だが、4段階調節式カウンターバランスも搭載された最新商品で、実売49,900円だった。
 やはり一眼レフ+超望遠レンズ使用で、使いたい商品だが、オーストラリアのミラー社の最上位機種DS−20ソロも魅力的に思えた。業務用ビデオ三脚のメーカーだが、ソロシリーズは、超望遠レンズで動く被写体を追うことを想定しているので使いやすそうだ。ビデオ雲台の望まれる機能は全て持っているが、三脚部がカーボンで耐荷重10KgのDS−20ソロで総重量4.55Kgと軽く、プロ用に過酷な使用に耐えるように作られている。標準価格は280,000円と高価ではある。

ジッツオG2180のカウンターバランス能力:2007年12月2日
G2180のカウンターバランス能力
 G2180には+3〜ー3まで7段階のカウンターバランス機能が組み込まれている。その能力を確かめてみた。
 通常、デジスコシステムはフィールドスコープの三脚座がシステム全体の重力中心とずれているので、ロングプレートでバランスを取らなければ、どちらかにゆっくり傾き始め、更にバランスの崩れが加速し、三脚にぶつかるまで傾くはずだ。
 G2180には、バランスのずれでデジスコシステムの傾きを防ぐため、カウンターバランス機構が組み込まれている。予想以上に効果があり、驚かされた。
 カウンターバランス機能を解除するとシステムの水平は保てないが、手前のカメラ側(写真では右側)が重たいのを打ち消すように−2のカウンターバランスを設定すると、水平停止はもちろん、頭上の野鳥にカメラを向けた場合でもバランスが崩れず手を離した位置で停止する(写真参照)。




P5000をデジスコ向けに手直し:2007年12月23日
 秋口からP5000に少しずつ手を加えてきた。一つは、レンズ鏡筒部正面を黒く塗装したこと、二つ目は、シャッターボタンの上に厚手のゴムを貼ったこと、三つ目は、水準器を付けたことである。 P5000の改良点

 最初の改良点について説明する。レンズ鏡筒はカメラが起動すると、デジスコシステムの中心部品FSB−6ブラケットの中で長く伸びて、フィールドスコープのアイピースと相対する。アイピースから投影された光がFSB−6の中で、金属光沢のP5000鏡筒に当たると乱反射が発生してカメラの撮像素子に届く像のコントラストを著しく低下させることになる。その対策として無光沢黒色塗装を施した。
 二点目は、レリーズを押しても遊びが大きく、最後まで押し込んでやっとシャッターが切れる状態だったので、遊びを少なくした。余り厚くするとFSB−6を取り付けた状態で指先が入らなくなり、カメラ単体でシャッターを押せなくなるので厚みは加減している。
 三点目。三脚を据える場所は当然ながら不整地であり水平ではない。カメラブラケットFSB−6の止めネジを緩めて回転させて適当に水平位置を判断していた。もっと正確かつ簡単に水平状態で撮影したいのでカメラ自体に水準器を載せた。スペースが限られているのでシンワ測定KK製の直径16mm「丸型気泡管」という商品を購入して両面テープで貼り付けた。
トップページに戻る
ブラケットFSB−6のレリーズ穴周辺強化:2007年12月23日 FSB−6のレリーズ強化

 FSB−6にはレリーズを取り付ける穴があり、それを支える部分は厚さ1.5mmの鉄板である。鉄板は振動しやすと予想されるので、周辺を金属エポキシで厚く塗り固めた。定量的な効果は測定できないが、不安な部分には予め対策を施しておくとの考えから行った。









デジスコに使えるか、マイクロフォーサーズ規格:2008年8月5日
 以前、フォーサーズ規格の一眼レフが、デジスコシステムに組み込んで使えるのではないかと期待したことがあったが、オリンパスの展示会でメーカーの人にアイデアを披露して相談したこともあったが、無理だろうと否定的な答えだった。
 本日、フォーサーズの新規格「マイクロフォーサーズ」がオリンパスとパナソニックから共同発表された。従来と同じサイズの撮像素子を使うにも拘らず、レンズマウント面から撮像素子までの距離「フランジバック」が20mmしかないという。このサイズではミラーボックスは組み込めないから、「一眼レフ」ファインダーは無くなるので、ライブビュー画像をディスプレーモニターで見て撮影することになる。要するにコンパクトデジカメと同じだが、レンズ交換が出来る点だけが異なる。(1)クイックリターンミラーが無くなるのでシャッターリリース時の振動が発生しない、(2)現在のフォーサーズより相当に小型軽量化するのでデジスコシステムとの親和性は高いと見る。現時点では製品化の時期はまったく不明。

オリンパスE−P2、リコーGXR+S10ユニットに期待:2009年11月11日
  デジスコで動き回る鳥を撮るのは、やはり難しい、と実感した。久しぶりに デジスコ一式を背負って川辺に水鳥を撮影に行った。珍しい鳥は居ない。 大量のヒドリガモ、オナガガモ、スズガモ、キンクロハジロが水面に浮いて いる。これらカモ類はサイズが大きく動きが少ないのでデジスコ向き。じっ と干潟の岩の上で動かない大型のセグロカモメはピントばっちり、構図も決 まって完成度の高い写真になる。
 一方、干潟の岩の間を動き回るイソシギは、岩と岩の間を通過する一瞬 にピントを合わせシャッターを切るのは難しい。ハマシギも岩の間に隠れて ちらちらしか姿が見えずタイミングが間に合わない。あえて合焦を確認しな いでシャッターを切るとピンぼけ写真の山。潜って魚を捕るカンムリカイツブリ も次にどこに浮上するかわからずピント合わせが難しい。コチョウゲンボウ が突然水鳥たちの上を低空で飛んだ。カモもシギも一斉に飛び上がった。 すばらしいシーンだったがデジスコでは手も足もでない。見守るだけだ。
 デジスコでは、静止しているか動きが遅い大きな鳥は楽に撮影できるが 、小さくて動きの速い、あるいは一瞬だけ姿を見せるような鳥は苦手だ。
  結局、デジスコ最大の問題は素早いピント合わせの困難さに行き着く。

 デジスコの利点(3000mm相当以上の超望遠撮影)は、小さい撮像素子 のカメラ(=コンパクトデジタルカメラ)を使っていることと不可分に結びつい ている。低価格が前提のコンパクトデジタルカメラは、撮像素子の進歩や 画像処理技術の高度化は目を見張るものがあるが、オートフォーカス性能 は見劣りする。モニター画面の精細度が不足しているのでマニュアルフォ ーカスも不可能。AFポイントも中央固定で自由に移動できない製品が多く 、構図を整えた写真撮影を困難にしている。更に薄型で高倍率ズーム(レ ンズの伸縮が大きい)を競う方向に進んでいるのでデジスコ用途には使え ない製品が増えている。大型カメラ店の店頭では自由に操作ができるので 、コンパクトデジタルカメラのチェックは欠かさないが、デジスコ用途に向い たカメラは見つからない。
 デジスコ用途に特化してカメラを開発しない限り、高精度にマニュアルで ピント合わせができ、瞬時にシャッターが切れる一眼レフ並みのシステム は実現しないだろう。フィールドスコープをグループ内で製造販売するニコ ンにしても2000台も売れそうにないニッチな市場向けにカメラ開発などし ないだろう。

 そこで期待しているのが、マイクロフォーサーズ規格のカメラなのだが、適 当な交換レンズがまだ見当たらない。インナーフォーカスでレンズ長が伸縮 しない単焦点レンズかズーム比3倍以内で伸縮の少ない標準系ズームが あればと期待している。昨年秋発売のパナソニックのG1のファインダーは144万画素のLVF方式で光学ファインダー並の機能を持つ。23点の中から任意の場所にAFポイントが移動できる。また、オリンパスが12月に発売するE−P2には同じく144万画素のEVFが外付けできるので同様に期待して見守っている。このEVFに使われている液晶パネルはエプソン製。パナソニックはENGなど業務用ビデオカメラのLVFから流用できたが、オリンパスは内製できないので発売が一年以上遅れたようだ。
 マイクロフォーサーズ以外では、一眼デジタルカメラに対抗する性能を宣言してリコーが12月に発売するユニット交換デジタルカメラGXRに接続使用するユニット「RICOH LENS S10 24−70mmF2.5−4.4 VC」にも大いに期待している。92万画素の外付けEVFが用意される。撮像素子は1/1.7型とコンパクトデジタルカメラ並なのでこちらの方がよりデジスコ向きかもしれない。また、コンバージョンレンズを利用するためのフード&アダプターを取り付けるネジがレンズの基部に切られているのでスコープのアイピースとの接続も容易ではないかと推測される。GXRはユニットを乗せる台座のようなもの。ユニットがカメラの性格を決める。35mmフルサイズ撮像素子搭載ユニットも計画されているようだ。  

トップページに戻る
実験「一眼レフでデジスコ」:2010年03月04日
 コンパクトカメラでデジスコーピングできるなら、一眼レフで同じことができるはず、更に一眼レフを使えば高ISO感度、高速連写、機敏なAF、高い描写性能などが得られるのではと期待する向きも多いようだ。そうは問屋が卸さない(そうはうまくいかない)ということを確認するためにテストを実施した。
 スコープNikonED82、アイピース(接眼レンズ)WDS50X、カメラレンズAF Nikkor 24mmF2.8、カメラNikon D300を用意した。接眼レンズとカメラの接続はdijisco.com社のTA-3と52mm-58mmステップアップリングの組み合わせ。24mmF2.8レンズのフィルター用ネジ穴は52mmのメスねじ、TA-3は58mmのオスねじです。かなり重たいD300をレンズの先端で支えるのですから、随分無茶なやり方と思えるかもしれません。昔のニッコールレンズは頑丈に作られています。このぐらいのことで壊れる心配はありません。
一眼レフでデジスコ
 スコープの接眼レンズとカメラのレンズが直結していますので、随分すっきりした形状です。35mmフィルムカメラに換算すると36mm×50=1800mm相当の画角です。実効F値は、24mm×50÷82mm=F14.6です。これでテスト撮影してみました。その場でチェックしましたが、相当カメラぶれが発生しひどい画質です。
 ぶれ対策としてカメラの設定で「露出ディレイモード」をONにしました。ONにするとシャッターボタンを押すとまずミラーが上がり、その1秒後にシャッターが切れます。それでも不十分なので、カメラを一脚で支えました。カメラのAFが使えますが、それではピントが甘いので、ライブビューモードに切り換え被写体を超拡大して手動で厳密にピント合わせをしました。
 画像の撮影データは、1/30秒、F4、ISO800です。絞りは開放F2.8から一段絞ってF4にしています。余り絞ると周辺減光が発生します。ノートリミングですが縮小しています。
一眼デジスコで撮影したテスト画像
 ここまでやって、やっとコンパクトカメラ使用のデジスコと同等の解像度の画像が得られました。被写体は15メートル先に置いた全長15cmの犬の縫いぐるみです。髪の毛より細い植毛が全身にほどこされています。この毛を分離して描写できれば満点ですが、そこまではデジスコでも無理です。どこまで細部が分離できるかで評価します。
 次の画像は、上の画像の一部を切り取った画像です。クリックするとピクセル等倍画像が開きます。
一眼デジスコで撮影したテスト画像の部分(ピクセル等倍)
 一眼レフは(1)シャッターを切った際に、クイックリターンミラーの上下動とフォーカルプレーンシャッターの開閉に伴う大きな振動が発生しカメラぶれを起こします。また(2)撮像素子(CCDやCMOS)が大きいので実効F値が暗くなり(今回はF14です)ISO感度を上げても早いシャッターが切れないので、カメラぶれを打ち消す高速シャッターが切れません。(3)撮像素子が大きいので同じ画角なら撮影レンズの焦点距離が長くなり被写界深度が浅くなります。したがって、動かない被写体(風景や長時間じっと動かない鳥など)をどうしても超望遠撮影しなければならないといった状況では、振動防止対策(三脚に一脚を追加するとか)を厳密にした上でならコンパクトカメラによるデジスコより高品質な写真が撮れる可能性があります。しかし動きのある野鳥を目的にしたデジスコには一眼レフは向いていないと結論づけてよさそうです。

トップページに戻る